① ZEBとは…
快適な室内環境を保ちながら、負荷制御、自然エネルギー利用、設備システムの高効率化により、省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーの導入を目的とした建築物です。
※エネルギー消費は、空調・換気・照明・給湯・昇降機のみを対象とし、テナント・執務者が使用するOA機器等は、この対象に含まれません。そのため『ZEB』を実現した場合にも、これらのエネルギー消費は残ります。



② ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)補助金の概要
本事業はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の構成要素となる、高性能建材や高性能設備機器の導入に関して、その情報の提供に同意する事業者に対し、費用の一部を補助するものです。
目的 | ZEB設計ノウハウが確立されていない民間の大規模建築物(新築:10,000㎡以上、既築:2,000㎡以上)について、 先進的な技術等の組み合わせによるZEBの実現を通じ、 その運用実績の蓄積・公開・活用を図ることを目的とする事業です。 |
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補助率等 | 補助率:補助対象経費の2/3以内 補助金額の上限:5億円/年 |
公募期間 | 2020年5月18日(月)から2020年6月11月(木) 17:00必着 |
採用枠一覧表
採用優先順位 1…○ 2…●
建物用途区分 | 延べ面積・建築種別 | |||
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用途 | 用途説明 | 延べ面積:10,000㎡以上 (地域区分は問わない) |
延べ面積:2,000㎡以上 (地域区分は問わない) |
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新築 | 既存建築物 (増築・改築・設備改修) |
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事務所など | 事務所 | ○ | ● | |
ホテル等 | ホテル | ● | ○ | |
旅館 | ||||
病院等 | 病院 | ○ | ● | |
老人ホーム※1 | ||||
福祉ホーム | ||||
百貨店等 | 百貨店 | ● | ● | |
マーケット | ||||
学校等 | 小学校 | ○ | ○ | |
中学校 | ||||
義務教育学校 | ||||
高等学校 | ||||
大学 | ● | ● | ||
高等専門学校 | ||||
専修学校 | ||||
各種学校 | ||||
集会等 | 図書館等 | 図書館 | ○ | ○ |
博物館 | ||||
体育館等※2 | ○ | ● | ||
CLTを活用した建築物※3 | ○ | ○ |
補助率等 | ||
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延べ面積 | 新築 | 既存建築物 |
2,000㎡未満 | 『ZEB』補助率 2/3 Nearly ZEB 補助率 1/2 |
『ZEB』補助率 2/3 Nearly ZEB 補助率 1/2 ZEB Ready 補助率 1/3 |
2,000㎡ 〜 10,000㎡ |
ZEB Ready 2,000㎡未満 補助率 ㎡単価定額 2,000㎡〜10,000㎡ 補助率 1/3 |
地方公共団体のみ対象 『ZEB』補助率 2/3 Nearly ZEB 補助率 1/2 ZEB Ready 補助率 1/3 |
10,000㎡以上 | 地方公共団体のみ対象 『ZEB』補助率 2/3 Nearly ZEB 補助率 1/2 ZEB Ready&ZEB Oriented 補助率 1/3 |
補助対象範囲
ビルの省エネルギー化を推進し、ZEBを実現するための高性能建材や高性能設備機器などのうち、以下に該当する設計費、設備費、工事費が補助対象となります。

【設計費】
補助事業の実施設計に必要な費用
建築設計、設備設計、省エネルギー性能の表示に係る費用

【工事費費】
システム・機器導入工事に要する経費
補助事業の実施に不可欠で補助対象範囲設備の搬入・据付工事
【設備費】
機械装置などの購入、製造などに必要な経費

【空調・給湯】
高効率機器に限る
熱源機器及び器具、熱源付帯設備(熱源機器の設置と一体不可分な設備に限る)、ポンプ、空調機器、高効率給湯機器等

【換気】
省エネ機器に限る
インバータ制御ファン、モータダンパなど

【照明】
高効率機器に限る
制御付LED照明、有機EL照明、制御用配線等

【蓄電システム】
創蓄連携に限る
蓄電システムに係る補助金対象は申請する事業の補助対象経費全体の20%を上限とする。蓄電量、放電量がBEMS装置にて計測できること

【BEMS】
自動制御機器を含む
制御部(制御機器、計測軽量装置等)、監視部(中央監視装置、伝達装置通信装置等)、管理部(BEMS装置)

【選択必須要件】
WEBPRO未評価技術15項目
P3〜P6をご覧ください
※ダクトや配管、配線類は補助対象外になるものがありますので、詳しくは酵母要件をご覧ください。
第一にZEB Readyを目指すことが重要です
負荷制御自然エネルギーの利用を行った上で、設備システムの高効率化により50%以上の省エネルギー「ZEB Ready(ゼブ・レディ)」を実現することが重要です。その上で建築物の実態に応じて、さらなる省エネルギーと太陽光発電等の再生可能エネルギーにより、正味で75%以上省エネルギー「Nearly ZEB(ニアリー・ゼブ)」、さらには、正味で100%以上省エネルギー「『ZEB』(ゼブ)」を目指すことが重要です。

約10%の建築費の増額で、ZEB Readyが実現できます
「ZEB Ready」は、汎用的な高効率省エネルギー技術を組み合わせことで実現できるとの試算結果が好評されております。さらに、必要な設備・材料費や施工・管理費等を計算すると、省エネルギー基準相当のビルに比べ、約10%の建築費増となり、必ずしも実現ができないものではありません。また、意匠性と更なる省エネルギー(Nearly ZEB、『ZEB』)を両立した環境建築を目指すためには、自然換気・昼光利用等のパッシブ技術のより積極的な活用が重要になります。

実現は、建築計画の段階からの相談が必要です
ZEBの第一ステップである「ZEB Ready」の実現には、設備システムの高効率化(アクティブ技術)だけでなく、建築計画的な手法(パッシブ技術)を最大限に活用しつつ、途中の改修が難しい外皮を高度化することが必要です。そのため、建築計画の段階から、専門家との競技を行い、ZEBを実現するための必要な外皮やパッシブ技術の導入について相談することが必要です。

◆建築費増額率(目安)

「B.ZEB Nearly」において、建築全体での概算費用の増額率は110%となります。概算費用の増額率を個別技術別にみると、空調設備(空調|換気)では161%、電気設備(照明)では117%となります。
なお、建築費はケーススタディでのモデルビルを対象とした試算結果であり、経済状況に伴う物価変動や建物使用の変更等により、概算費用結果も変動する可能性があります。また、ZEB Ready(省エネルギー率50%)を超えるビルを設計する上では、省エネルギー効果が高いが初期費用も高いパッシブ技術(アトリウムやボイド等による自然換気や昼光利用)の導入も検討する必要がある点について、ご留意ください。
ZEB Reariy 概算費用(百万円) |
増額率 | |
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空調設備 (空調+換気) |
1,108 | 107% |
建築工事仕上 (断熱材/日射遮蔽) |
423 | 161% |
電気設備 (照明) |
393 | 117% |
衛生設備 (給湯) |
91 | 100% |
昇降機 | 69 | 100% |
仮設 | 244 | 110% |
土工 | 111 | 100% |
地業 | 144 | 100% |
躯体 | 741 | 100% |
諸経費 | 449 | 111% |
合計 | 3,873 | 110% |
坪単価 128万円/坪 |
(※延床面積10,000㎡程度の事務所ビルでの試算結果 出所)公益社団法人 日本建築試算協会のもと、ZEBロードマップ フォローアップ協会による試算結果に基づく
③ ZEBの効果

光熱費の削減
室内環境の質を維持・向上しつつ、光熱費を削減できます
延床面積10,000㎡程度の事務所ビルで50%省エネルギーを実現した場合、年間で40〜50%の光熱費を削減することも可能です。
注)標準ビル、50%省エネルギービルとともに、延床面積10,000㎡程度の事務所ビルを想定し、一次エネルギー消費量から光熱費への換算を行いました。電力の換算については、2016年8月の東京電力・業務用電力(燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金含まず)の契約、都市ガスの換算については、東京ガス一般契約の基準単位料金を想定しています。なお、空調・換気・照明・給湯・昇降機のみを対象とし、全体の約3割を占めるOA機器等の消費電力は本試算に含みません。また、実際の光熱費削減量は人員密度や運用条件等によって変化する可能性があります。


不動産価値の向上
環境に配慮した建築物を求めるテナントや投資家が増えています
東京23区内に立地する事務所ビルにおいて「環境認証を取得しているビル(環境に配慮したビル)」は、「新規成約賃料」に+の影響を与えるとの調査結果も発表されています。
注)分析対象である環境認証には、建物の省エネルギー性能以外の環境全般を評価する認証も含まれています。そのため、不ダウ③価値向上は、省エネルギー性能以外の要素も影響している可能性がある旨をご留意ください。
